今シーズン初の実戦で群馬が茨城に勝利
9月5日、群馬クレインサンダーズはホームのオープンハウスアリーナ太田に茨城ロボッツを迎え、プレシーズンゲームを開催した。双方にとって今シーズン初めての実戦とあって、ファールが多く、フィールドゴール成功率が安定しない試合となったが、群馬が80-74で勝利を収めた。
群馬は辻直人、茨城はティム・ソアレスと平尾充庸が欠場。群馬の先発を務めたトレイ・ジョーンズが開始1分20秒で出血のためコートを離れると、新加入のスタンリー・ジョンソンがコートイン。注目のジョンソンの登場に、会場からは大きな拍手と歓声があがった。
先行するかに見えた群馬だったが、茨城のインサイドアタックを止めきれず、リードを許す。しかし、ジョーンズの連続得点で盛り返し、20-23で第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入り、徐々にディフェンスが機能し始めた群馬は、開始から3分半にわたり茨城の得点を許さず、7-0のランで逆転に成功。藤井祐眞と中村拓人がそれぞれ3つ目のファールを犯して、ガード不在のラインナップとなるが、ボールムーブの良さは変わらなかった。
ディフェンスでは、ピック&ロールに対する連携のミスもあったが、前半だけで茨城から8つのターンオーバーを誘発し、42-38とリードして折り返した。
後半は中村、ジョーンズ、ジョンソン、ケリー・ブラックシアー・ジュニア、エージェー・エドゥと今シーズンからレギュレーションが変わったオンザコートフリーラインナップでスタート。カイル・ミリングヘッドコーチは「練習では、ほとんどできなかったので試してみました。プレシーズンゲームはローテーションを決めずに、いろいろなラインナップを試したかったです」と、この起用の意図を明かした。
序盤こそリードを広げたが、ブラックシアー・ジュニアが4つ目のファールでベンチへ戻ると、今度は日本人選手だけがコートに立つ時間帯に。ここで0-11のランを許して逆転され、60-61で最終クォーターを迎える。
開始2分でブラックシアー・ジュニアがコートに戻ると、茨城のハンドラーにブリッツを仕掛けるなど、積極的なディフェンスが目立つようになり、ターンオーバーを連続で誘発。そこからのファストブレークポイントも面白いように決まり、逆転して勝利のブザーを聞いた。

「これからどんどん良くなっていく」
この試合で、先発を担ったのが新加入の鶴巻啓太だった。この起用の意図をミリングヘッドコーチに聞くと「今シーズンのチームが始動してから、練習にずっと参加できている選手を起用しました」と明かした。
鶴巻は、常に前線から相手のハンドラーに激しいプレッシャーを与えて、クロックを削っていた。第3クォーターには、茨城の得点源であるヴィック・ローに体を寄せ、苦し紛れのパスを出させてターンオーバーを誘発。結果的に17分25秒の出場で、先発起用に応える活躍を見せた。
「初めてのゲームということもあり、シュートが入らなかったり、ボールムーブが上手くできなかったり、細かい課題はありましたけど、集中してディフェンスし続けることができました。これから、もっと詰めていけたらと思います」と鶴巻は試合を振り返る。
前述の通り、ディフェンス力を発揮する場面も多かった。しかし、オフェンスでは、フリースローでの1点にとどまり、持ち味を100%発揮したとは言い切れない。「群馬はタレント揃いなので、自分ができることをやっていきます」という通り、鶴巻にとって伸び代はまだまだ大きい。
「ディフェンスをより磨いて、相手のエースを止めたいですし、ノーマークのシュートを確実に決められるようにもっと練習していきます」
新加入選手は、ジョンソンと鶴巻の2人。群馬には昨シーズンまで積み上げたベースがあり、スタイルも確立されている。その中で、自身の強みを発揮していくのは簡単なことではない。しかし、鶴巻は存在感を示すため、臆することなくプレーしていきたいと意気込む。
「新しく入っていくのは難しい部分もあります。今は選手同士やコーチとコミュニケーションをとって、ズレをなくしていく作業をしている段階です。これから、どんどん良くなっていくと思います」
「ずっと着ていたユニフォームとの対戦だったので、新鮮な感じがありました」と、茨城出身でプロキャリアも茨城一筋だった鶴巻は、この古巣対決が特別なものになったと振り返った。
「ロボッツもメンバーがガラッと変わって、生まれ変わろうとしているので、恩返しじゃないですが、しっかりと勝っていきたいです。レギュラーシーズンも勝てるように準備していきます」
長く親しんだ思い入れのあるチームを離れ、並々ならぬ決意で新天地を求めた鶴巻。強力なロスターの中でも、そのディフェンス力は大きく戦力を底上げするものになるだろう。群馬の新しいピースが、徐々にハマっていく様子を追いかけていきたい。


