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試合レポート

開幕2連勝を飾った群馬クレインサンダーズの中村拓人「Bプレミアになって、どこかのチームが突出して強いというのはない」


「うまく守るためにプレッシャーをかけ続ける」

「試合の入りはすごく良かったですが、40分間を通して良かったわけではなかったです。チームとして『しっかりとディフェンスをやっていこう』と話していたので、波はあったものの、すぐ良い状態に持っていけました。ゲームクロージングもしっかりできたので、前回の課題からしっかりと学んで、今日は良い試合にできました」

9月26日に開催されたアルティーリ千葉との一戦を91-59で大勝した試合後、群馬クレインサンダーズの中村拓人は、そう振り返った。24日の対戦では、最終クォーターを迎えるまで14点のリードを築いていたものの、一時逆転を許す展開となり、辛くも勝利した。この日の試合では、後半に点差を広げての勝利。反省の言葉を口にしながらも、中村は充実した表情を見せた。

後半だけでA千葉から13個のターンオーバーを誘発し、わずか19失点に抑えたディフェンスが勝利の鍵となった。中村はディフェンスについて、次のように語る。

「A千葉さんは、誰か一人が爆発的に得点するというよりも、どこか一つを起点にしてカッティングを仕掛けたり、良いボールムーブメントをするチームでした。アジャストするのに時間はかかりましたが、そこは意識して守ろうと話していたので、後半は良い形で守れて自分たちのリズムにできました」

特に24日の試合で18得点を記録したD.J・ニュービルと、21得点を記録した黒川虎徹への対応は急務だった。その中で、中村は前線から激しいディフェンスを仕掛けて、チーム全体のインテンシティを高めていた。

「それが僕の役割でもあります。A千葉さんはガード陣にすごい選手が多かったので、そこに対してとにかくいいリズムでやらせないように意識しました。彼らの得意としているのはピックアンドロールだと思っていたので、気持ちよくプレーに入らせないためにハーフコートからプレッシャーかけながらやらないといけないなと」

その結果、後半で黒川は無得点1アシスト。ニュービルにも第3クォーター序盤の3ポイントシュート1本しか許さなかた。チームとして守れたと中村は胸を張る。

「僕自身は、この前の試合から特に黒川選手とマッチアップすることが多かったです。彼にスペースを与えてしまうと良い形を作らせてしまっていたので、うまく守るためにプレッシャーをかけ続けるしかないと思っていました。それがチームとしてもいいリズムに繋がっていたので、引き続き僕の役割としてやっていきます」


「フィジカルに戦っていかなければいけない」

後半に大きく点差を引き離しての勝利となったが、冒頭の中村のコメントの通り、40分間すべてが良かったわけではなかった。特にディフェンスの細かなミスは目立った。

象徴的な場面が、第2クォーター残り7分45秒。トップでニュービルとアレックス・デイビスのピックアンドロールが発生すると、スタンリー・ジョンソンとトレイ・ジョーンズの意思疎通が合わず、スイッチミスとなった。マークが外れたニュービルに3ポイントシュートを許し、カイル・ミリングヘッドコーチは、すぐさまタイムアウトを請求した。

そのプレーの際、中村はコートに立っていなかったが、あのミスについて次のように語る。「オンザコートフリーになって、ああいうプレー(外国籍ハンドラーとビッグマンのピック)が増えていくと思います。僕らとしても打たせたくないシュートですし、自分たちのミスを突いてくる選手はどのチームにもいるので、単純にやらせたくないプレーでした。これからもう少し整えていかなきゃいけない部分です」

さらに前半は、A千葉のカッティングに対応できない場面もあった。後半はカッティングを警戒しつつも、前述の通り激しいディフェンスを仕掛けた。ボールを持たせないようにディナイすることと、カッティングを警戒することは相反する守り方になるが、それもこなしてみせた。

「紙一重だと思います。ディナイできたらそれはそれで良いプレッシャーになりますが、逆にカウンターでバックカットを狙われてしまえば良くないディフェンスになります」と前置きした上で、うまく守れたと中村は続ける。

「でも、今日やられたカッティングは、ビッグマンにボールが渡ったときにボールウォッチになってしまって、オフボールでやられることが多かったです。オンボールでは引き続きフィジカルに戦っていかなければいけないと思うので、そこのバランスをとってチームとしての良い距離感をつかんでいきたいです」


「アルティーリ千葉に2連勝できたのは自信にしていい」

中村はオフェンスでも躍動した。第3クォーターの序盤には、ケリー・ブラックシアー・ジュニアとのピックアンドロールからリングにアタックし、技ありのレイアップを2本続けて成功させた。

「前半が良い形では終われなかったので、後半の入りからチームとして良い流れを作らないといけないと思っていました。うちは3ポイントを打てる選手が揃っているので、僕ができることは早いタイミングでペイントアタックして、シュートを打てるなら打つ……。ディフェンスが寄ってくれば外にパスを出して……と、シンプルなことが役割だと思っています」

さらにポイントガードとしてチーム全体のバランスも意識している。特に今シーズンは完成度の高いチームにジョンソンという強力な個の力を持った選手が加入した。チームとしてより良い形を作っていく必要があると語る。

「スタンリーがボールを持っているときもそうですけど、オフボールの動きでも相手は彼をかなり警戒してきます。なので、シチュエーションに応じてプレーを選択しなければいけないですが、この前の試合では彼にボールを持たせすぎちゃったなと。今日みたいにバランスを取れれば、 彼も良いリズムを出せると思います。チームとしても目指しているボールムーブができるようになるので、そこはこれからもっと勉強していかないといけないです」

この勝利で開幕から連勝を達成できた。中村は手応えを感じ、この先を見据える。

「開幕してホームコートで2連勝できたのは率直に嬉しいです。アルティーリさんは本当に強力なチームだったので、2連勝できたのは自信にしていいかなと。始まったばかりなので、とにかく成長していくために、チームとして課題を見つけて改善してという繰り返しに取り組んでいきます」

次の対戦相手は、茨城ロボッツ。A千葉同様にオフの間に積極的な補強を敢行したチームだ。プレシーズンゲームで対戦し勝利したものの、一筋縄ではいかない相手だろう。中村は展望を語る。

「茨城さんもポテンシャルがあり、タレントも揃っています。まずはディフェンスから流れを作ることが重要です。またホームコートでやれるのは、大きなアドバンテージですので、しっかりと準備してやっていきます」

新リーグとなり、他会場ではオンザコートフリーを活用しているチームも多く見られた。チームによっては外国籍選手が全員30分以上出場する試合もあった。群馬にとっても、これまでのBリーグとは違う戦い方が求められる試合ばかりになるだろう。最後に、中村はこのリーグで戦い抜くため、兜の緒を締める。

「Bプレミアになって、正直どこかのチームが突出して強いというのはないと感じています。どこのチームも強敵だし、油断なんてしていたら飲まれるだけ。どこが相手でも自分たちにフォーカスして、やるべきことに集中していきます」

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