9月24日にオープンハウスアリーナ太田で、Bリーグ2026-27シーズンの開幕を迎える群馬クレインサンダーズ。KAZA GUNMAでは、開幕に向けて12選手の紹介記事を、これまで取材して印象的だったエピソードも交えて、順次公開していく。5人目は、#8ケリー・ブラックシアー・ジュニア。
チームの中心選手として歩んできたキャリア
ケリー・ブラックシアー・ジュニアは、バージニア工科大学をNCAAトーナメントベスト16進出へ導く立役者となった。NBAドラフトにエントリーしたものの、その後に撤回してフロリダ大学に転入。卒業後はイスラエルでプロキャリアをスタートさせた。
イスラエルでは14.8得点、7.9リバウンド、2.0アシストを記録して活躍。翌シーズンはトルコでプレーし、13.2得点、6.4リバウンド、1.9アシストを挙げて、チームのベスト4進出に大きく貢献した。
日本でのキャリアは、2022-23シーズンから広島ドラゴンフライズでスタート。2年目となった2023-24シーズンには、カイル・ミリングヘッドコーチや中村拓人らとともに年間チャンピオンに輝いた。個人としても『ベスト6thマン』を受賞。さらに翌シーズンには、東アジアスーパーリーグも制覇した。
2025-26シーズンから群馬クレインサンダーズに加入して、出場した試合すべてで先発を務め、チームの中心選手として存在感を示している。
2025-26シーズン スタッツ
| 出場 | 先発 | 時間 | PTS | RB | AS | ST | BS | TO |
| 58 | 58 | 26:01 | 16.0 | 7.2 | 1.1 | 1.3 | 0.6 | 1.5 |

攻守すべてを担うオールラウンダー
インサイド選手にしては器用で、ウイング選手にしてはパワフル。オールラウンドに何でもこなせるブラックシアー・ジュニアは、チームからの信頼も厚い。
その証拠に出場時間、得点、フィールドゴール成功数、2P成功数、フリースロー成功数、オフェンスリバウンド数、ディフェンスリバウンド数、アシスト数(いずれも平均)は、すべてチームトップの数字を叩き出した。さらに、選手個人の得失点差を示す『+/-』は、平均+9.8でチームトップだった。
オフェンス力もさることながら、ブラックシアー・ジュニアの真骨頂はディフェンスである。対面ディフェンスの強度はもちろんのこと、高いバスケIQによってチームメートとの連動を生み出して相手のオフェンスを封じる。ゴール下で周りの選手に声かけている姿はよく見るだろう。まさに、チームにとって欠かすことのできない存在と言えるだろう。
昨シーズン、ブラックシアー・ジュニアは60試合中58試合に出場した。一方で、トレイ・ジョーンズとヨハネス・ティーマンは欠場が多く、緊急加入したテレンス・ウッドベリーとケニー・ローソン・ジュニアも十分に奮闘したが、それでもブラックシアー・ジュニアにかかる負担は大きかった。
その状況を見て「大変ではないか?」と聞いたことがある。しかし、ブラックシアー・ジュニアは「そんなことはない。勝つためにみんなで考えてやっている」と一蹴。自身の責任を認識しながらも、どんな状況でもチームメートを信じ、前を向いていた。
今シーズンは、インサイドタイプのティーマンが退団して、ウィングタイプのスタンリー・ジョンソンが加入した。ジョンソンはインサイドまで守れる能力を備えているものの、ブラックシアー・ジュニアに求められるインサイドでの役割は、昨シーズン以上に多くなるだろう。ただ、それ以上にジョンソンがチームに与えてくれるものを楽しみにしていた。
「長崎ヴェルカがシーズンを通じて勝ち続け、チャンピオンになった大きな要因の一つが彼の存在だったと思う。この夏(合流前)、彼とは少しやりとりする機会があったけど『一緒にプレーするのが楽しみだね』と互いに話したよ(笑)」
「LEGACY MAKER」が群馬で刻む新たな歴史
コート上の戦闘モードとは打って変わって、オフコートのブラックシアー・ジュニアは常に朗らかだ。いつもニコニコしていて、喋り方も非常に柔らかい。特に家族について話すときは、満面の笑みを浮かべる。2人の娘を溺愛しており、たくさんのエピソードをいつも明かしてくれる。
また、両親ともにバスケットボール選手であり、父はプロ選手としてキャリアの前期は南米で、後期はスペインで主にプレーした。大学の殿堂入りも果たしている。幼少期をアメリカ以外の国で育ったことが、ブラックシアー・ジュニアのプレースタイルに少なからず影響しているだろう。
『LEGACY MAKER』。昨オフに、ブラックシアー・ジュニアの二つ名として考案したものだ。ただリーグにインパクトを与えるだけでなく、長く語り継がれるチームの歴史や伝説を作ってほしいという想いを込めて考えた。そして、彼ならばそれができると信じている。今シーズンこそ、チームにとっても、ブラックシアー・ジュニアにとっても、歴史に刻まれるシーズンになることを期待している。


