9月24日にオープンハウスアリーナ太田で、Bリーグ2026-27シーズンの開幕を迎える群馬クレインサンダーズ。KAZA GUNMAでは、開幕に向けて12選手の紹介記事を、これまで取材して印象的だったエピソードも交えて、順次公開していく。6人目は、#9 辻直人。
数々の栄光を重ね、いまだ届かぬ頂点へ
辻直人は、高校・大学時代に数多くの優勝と個人タイトルを獲得。2012年に東芝ブレイブサンダース(現川崎ブレイブサンダース)に入団すると、前年リーグ最下位だったチームを準優勝まで引き上げる立役者となり、個人としてはルーキーオブジイヤーに輝いた。
2年目となる2013-14シーズンには、リーグ優勝と天皇杯優勝。さらにファイナルMVPも受賞した。Bリーグが発足する前年の2015-16シーズンにも優勝を果たし、名実ともにリーグのトッププレーヤーとなった。
Bリーグ初年度の2016-17シーズンには、ファイナルに進出するも惜しくも準優勝。2021年には天皇杯優勝も手にした。9シーズンにわたってプレーした川崎を離れ、2022-23シーズンに広島ドラゴンフライズへ加入。翌2023-24シーズンにはキャプテンとして、クラブ初のチャンピオンシップ進出へ導いた。
2024-25シーズン、群馬クレインサンダーズへ移籍。ここでも2年目にキャプテンを務め、クラブ初のチャンピオンシップ進出を果たしている。
今シーズンで群馬4シーズン目。キャリアを通じて、輝かしい実績を誇る一方、いまだBリーグでの優勝はない。「川崎で優勝した時は、チームがガラッと変わった印象がありました。群馬でも優勝して、群馬県全体を盛り上げたいですね」と優勝への強い想いを語っていた。
2025-26シーズン スタッツ
| 出場 | 先発 | 時間 | PTS | RB | AS | ST | BS | TO |
| 59 | 25 | 19:57 | 7.9 | 1.4 | 2.2 | 0.3 | 0.0 | 0.7 |

3ポイントだけじゃない、進化を続けるベテラン
昨オフは怪我の影響で調整が遅れていたが、結果的に59試合に出場して、変わらぬプレーを見せた。それでも「10月は体が動かなくて、不安を抱えていた」と当時語っていたが、3ポイントシュートキャリア通算1,500本を達成した頃には、コンディションも良くなってきたと言う。
3ポイントシュートが、武器であることは間違いない。ホーム戦で辻の3ポイントシュートが決まった瞬間の盛り上がりは、別格だ。ただ、辻自身は3ポイントシューターという枠に収まるつもりはない(詳細は先日の単独インタビューを参照)。
特に、ここ数シーズンでフォーカスしているのはディフェンスだ。「ディフェンスが面白くなってきたのもありますが、やらないと試合に出られないです」とベテランの域に入りながらも、新しい発見があると語る。昨シーズン中には「馬場(雄大)選手につけるくらいに仕上げたい」と展望を語っていたが、実際の長崎ヴェルカ戦では「(イ・)ヒョンジュンとのマッチアップでしたね。この半年間ワクワクしてたのに、ちょっと違かったです(笑)」と笑いを誘った。
「昨シーズンよりもいいディフェンスができている感覚はありますが、試合を通してコンスタントにできているかと言われればまだまだなので、伸び代ですね」と手応えを感じながらも、さらなる成長を誓っていた。
1年の重みを胸に
ベテランとなり、残りのキャリアを意識する言葉も聞かれるようになってきた。「まだ自分が動けているからこそ、同年代の選手のプレータイムが少なくなってきているのを見ると、いつ自分がそうなるか危機感はあります」と以前語っていた一方で、「まだまだやれます!」という言葉も続けた。
それは辻にとって、決してネガティブな要素ではない。そう思うからこそ、1シーズンの重みは誰よりも感じている。想いの強さはチームメートに伝播する。さらに自身やチームのことだけでなく、地域についての発言も多くなってきた。「ずっと強豪と呼ばれるチームにして、群馬の皆さんが誇れるクラブにしたいです」
普段から明るく、『お祭り男』の名の通り、コート上でもオフコートでも周囲を盛り上げる。ただ、インタビューの際に発する言葉はいつも真面目である。「気にしいですね」と笑顔で以前話していたが、それだけクラブや地域、自身のことを深く考えている証拠であろう。
今シーズンは、通年で『つじまつり』開催だ。


