「チームメートが自分を支えてくれた」
「非常に激しい試合になりました。アルティーリ千葉は、いつもフィジカルの強いチームですし、全員が才能のある選手です。ですから、私たちも最初からしっかりと競い合い、木曜日の試合から立て直す必要がありました」
9月26日に開催されたアルティーリ千葉戦後、群馬クレインサンダーズのケリー・ブラックシアー・ジュニアは、安堵の表情を浮かべながら試合を振り返った。この日は91-59と大勝を収めたが、その言葉の通り木曜日の試合で出た課題を払拭しなければならない一戦だった。
2日前に行われたA千葉との同一カードでは、3クォーター終了時に14点のリードを築きながら、最終クォーターで逆転を許す展開となった。最終的に劇的な勝利を収めたものの、ブラックシアー・ジュニアはファールアウトにより、終盤はコートに立つことができなかった。その悔しさから切り替えて、この試合に臨んだと語る。
「(木曜日は)自分にとって納得のいかないプレーもありました。だから、そこから学んでしっかりと対応しようと。試合を見返して、ファウルをせずに効果的かつアグレッシブにディフェンスすることを考えました。その部分は改善できたと思いますし、チームメートも自分を支えてくれました」
さらに24日の試合では6得点にとどまった。ブラックシアー・ジュニアが群馬でプレーした中では最少得点となった。カイル・ミリングヘッドコーチも「木曜日はケリーのフィールドゴールの試投が5本しかありませんでした。それは私たちにとって正しいスタイルではない、とチームに話しました」とブラックシアー・ジュニアについて言及していた。
プレシーズンゲームでも得意のミスマッチハントに持ち込めず、タフショットを打たざるを得ない場面もあった。しかし、この試合では本来のブラックシアー・ジュニアが戻ってきた。第1クォーターから積極的にリングを狙って7得点を記録すると、試合を通じて10本中6本のフィールドゴールを沈め、18得点と輝きを放った。
この活躍の裏には、チーム内で共有したテーマがあったとブラックシアー・ジュニアは明かす。
「チームミーティングで話したことの一つに『犠牲』という大きなテーマがありました。常にチームにとってベストなことを考え、自分自身を犠牲にしてでも、チームが勝つために必要なことを何でもやるということです」
自身のハイパフォーマンスは、チーム全員がチームのために戦ったからこそ生まれたものだと続ける。「理想的にはボールを触ってプレーしたいですが、そうではないときもあります。自分は良いスクリーンをかけたいですし、良いリバウンドを取りたい。コミュニケーションもしっかり取りたい。チームのために、そういうことをする準備はできています」

「スタンリーについては良いことしか言えない」
ブラックシアー・ジュニアは決しておごらない。どれだけ自身が活躍しても、いつも「チームメートのおかげだ」と話す。そして、周りへのリスペクトを忘れない。
強力な個の力を持つスタンリー・ジョンソンが加入したことで、昨シーズンまでとボールシェア率は大きく変わっている。そんなジョンソンとの関係性について聞いても、敬意に満ちた言葉が返ってきた。
「スタンリーのことを少しずつ知ることができています。バスケットボール選手として素晴らしいだけでなく、それ以上に人として素晴らしいです。それだけでも、彼がどんな人なのかが分かると思います」
「これまでのキャリアで所属してきたどのチームでも、チームの基準を作ってきた選手だと思います。コートの中でも外でも、常に良いエネルギーを持っています。一緒に過ごした時間はまだ短いですが、スタンリーについては良いことしか言えません」
さらにコーチやチームメートへの信頼の言葉も続く。「ミリングヘッドコーチは、一人ひとりの選手に自分の役割を理解させながら、同時に『自分はチームにとって非常に重要な存在なんだ』という自信も持たせてくれます。スタッフの多くは昨シーズンから変わっていませんが、新しい選手は加わりました。その中で、小さな部分を少しずつ変えながら、毎日チームを良くしてくれています」
「何より大きいのは、チームメート全員が持っているエネルギーです。常にポジティブで、常に準備ができていて、常にチームに貢献しようとしている。それがあるからこそ、良いシーズンにできると信じています」
開幕戦の悔しさを自らのプレーで払拭してみせたが、それもチームのおかげだと語るブラックシアー・ジュニア。Bプレミア東地区唯一の開幕連勝を飾ったものの、当然これで満足することはない。
「連勝して良い気分です。勝利を2つ積み上げることができましたが、シーズンはまだ長いです。残り58試合ありますし、一つひとつの試合から学び続けたいと思っています。木曜日の試合と同じように、今日の試合からも学んでいきます」
勝利を手にしたものの、ブラックシアー・ジュニアにとっては悔しさも残った開幕戦だった。そこから2日後、その悔しさを乗り越えた。群馬のバスケは、誰か一人が輝くことだけを目指すものではない。勝利のために全員が役割を受け入れ、仲間のために戦う。その強い意志がチームを前へと突き動かす。ブラックシアー・ジュニアが語った「犠牲」は、今シーズンの群馬を支える一つのキーワードになるのかもしれない。頂への挑戦は、始まったところだ。


