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試合レポート

群馬クレインサンダーズを支え続けたエージェー・エドゥ「試合が終わったときに『100%の力を出し切った』と言えるようにしたい」


3Pシュートが不調ながら群馬が茨城との接戦を制す

呪われたかのように3ポイントシュートがリングに嫌われ続けた。33本試投して、成功はわずか3本。成功率は9.1%。カイル・ミリングヘッドコーチが群馬クレインサンダーズを指揮して以来、3ポイントシュート成功率が10%を下回ったのは初めてのことだった。

それでも、群馬は10月3日の茨城ロボッツとの対戦を72-71で制した。本来の力を発揮しきれず、終始我慢を強いられる展開となったが、どうにか勝利を手にした。

群馬にとって、3ポイントシュートは重要な得点源だ。昨シーズンは、総得点に占める3ポイントシュートによる割合がリーグで3番目に高かった。その武器が機能しない中で、なぜ群馬は勝つことができたのか。

バスケットボールは、1試合の中で攻守合わせて150回前後行われるスポーツである。その一つひとつの積み重ねが、試合の勝敗を決める。決して、一つの要素だけで決まるわけではない。この試合で群馬はフリースローを27本獲得して23本成功させ、2ポイントシュートも54.1%で沈めた。

3ポイントシュートこそ入らなかったが、それ以外の得点パターンでは一定の成果を残した。ただ、それ以上にディフェンスとリバウンドで茨城を上回ったことが、この試合の大きなポイントだった。

ミリングヘッドコーチも「オフェンスは良くなかったですが、ディフェンスとリバウンドを頑張ってくれたので、試合として成り立ちました。ディフェンスとリバウンドは自分たちでコントロールできることだと常に選手たちには話してきました」と試合後に語った。

ディフェンスは、ミリングヘッドコーチが就任してから、力を入れているポイントだ。実際に、スタッツからも群馬のディフェンス力が高さがうかがえる。一方、リバウンドについては、コーチや選手から課題として取り組んでいるという話がたびたび聞かれていた。

この試合で群馬は、オフェンスリバウンド17本を獲得した。対して、茨城にわずか5本しかオフェンスリバウンドを許さず、セカンドチャンスポイントも4点に抑えた。オフェンスリバウンドを奪って攻撃の機会を増やしたことも重要だが、それ以上に大きかったのはディフェンスリバウンドを確実に確保して、茨城に追加のオフェンス機会を与えなかったことだ。それが接戦を制する一因となった。


「自分が担っている役割がどれほど重要なのか理解している」

この試合で奮闘を見せたのが、エージェー・エドゥだ。26分43秒の出場で、9得点1アシスト1ブロックを記録。リバウンドはチームハイの13本を獲得した。13本という数字だけでも十分に立派だが、エドゥの献身はそれだけではない。直接ボールを獲得できなくてもティップして味方につなごうとしたり、オフェンスリバウンド争いに絡むことで相手の速攻を防いだりと、スタッツに表れない働きも随所に見られた。

エドゥは苦しい展開となったこの日の試合を次のように振り返る。「最後まで闘志を持って戦い続けようとチーム内で話していました。そのマインドを持っているチームが勝てるということは分かっていたので、そこにフォーカスしていました」

その言葉の通り、エドゥは気持ちの入ったプレーで体を張り続けた。リバウンドはもちろん、インサイドでのディフェンスも光った。特に茨城は、ビッグラインナップで臨む時間帯も多く、エドゥの存在は不可欠だった。

「自分がこのチームで担っている役割と、その役割がどれほど重要なのかはしっかり理解しています。私にとって大切なのは、コートに立つたびにベストを尽くすことです。全力でプレーすることが、チームの助けになります。その心構えは毎試合変わりません」

エドゥに求められているのは、チームの外国籍選手たちのように20点、30点を記録することではない。ゴール下を守り、スクリーンをかけ、リバウンドに飛び込み、体を張り続けることだ。そうした役割は、決して華々しく映るものではないかもしれない。しかし、チームが勝つためには欠かせない仕事だ。エドゥは強い気持ちと責任感を持ってコートに立っている。

「いつもベストを尽くそうと試合に臨んでいます。試合が終わったときに『自分は100%の力を出し切った』と言えるようにしたいです。今日もその姿勢をやりきれました」


「才能のある選手と一緒にプレーできることに感謝している」

エドゥはディフェンスやリバウンドだけでなく、オフェンスでも大きく貢献した。第2クォーターには連続で2本のダンクを決め、茨城にタイムアウトを取らせた。試合を通じて9得点を挙げたが、彼の真骨頂は得点そのものだけではない。

この試合では、積極的にリングへ向かう姿も目立った。第3クォーター残り6分44秒。トップの位置でボールを持ったエドゥは、ゴール下の空いたスペースへ向かいドライブを仕掛け、ティム・ソアレスのファールを誘った。これがソアレスにとって4つ目のファールとなり、ベンチに下がらざるを得なくなった。

「相手のファールを引き出そうとして仕掛けたわけではなく、ただ積極的にアタックをしたかったです。結果的に、良い方向に働きました」とエドゥは狙っていたわけではないと振り返るが、値千金のプレーとなった。

さらに、群馬にとってこの試合で最初の3ポイントシュートとなった細川一輝のシュートも、エドゥのアタックから生まれた。エドゥがゴール下で1対1を仕掛けると、茨城のヘルプディフェンスが寄り、細川がワイドオープンとなった。エドゥがリングに向かっていなければ、あの3ポイントシュートも生まれなかったかもしれない。

「一輝がフリーになれば、高確率でシュートを決めてくれると分かっています。彼はいつも良いポジションにいるので、フリーになっているのを見つけるのは簡単です」

エドゥの積極性と献身性は、こうした場面だけにとどまらない。挙げればキリがないほどだ。第4クォーター最初のプレーでは、トップの位置で藤井祐眞とケリー・ブラックシアー・ジュニアのピック&ロールが展開された。エドゥは藤井のドライブに合わせてクリアアウト(自身のマークマンに体を密着させて、ヘルプディフェンスに行かせないプレー)して、藤井がリングに向かうためのドライブコースを確保。ノーマークのレイアップを演出した。

一連のプレーで、エドゥにスタッツが記録されることはない。それでも、チームプレーを理解して、自らの体を張ってチャンスを生み出した。「計算されたプレーですが、細かいタイミングが重要なので簡単ではありません。常にチームとしての動きを頭に入れて、遂行しなければいけません。それがうまくいって良かったです」とあのプレーを振り返る。

そして、エドゥはチームメートへの敬意や感謝も忘れない。「このチームには、才能のある選手がたくさんいます。一緒にプレーできることに、本当に感謝しています」

3ポイントシュートが極端な不調に陥りながらも、群馬はチームとしてやるべきことを遂行し、勝利を手にした。今週は間を空けずに茨城との連戦が待っている。エドゥは、開幕4連勝に向けてこう意気込んだ。

「どのチームも前の試合の結果を受けて巻き返そうとしてきます。茨城も良いチームですし、明日も全力で挑んでくるはずです。だからこそ、私たちもレベルを上げて、さらに良いプレーをしなければなりません。連戦は厳しいですし、いつも疲労が伴います。それでも常に戦い続ける気持ちを持つことが大切です。ベストを尽くします」

華々しい得点や目を引くプレーだけが、チームを勝利に導くわけではない。リバウンドに飛び込み、仲間のために体を張り、スペースをつくる。そうした一つひとつの仕事が、苦しい時間帯にチームを支える。エドゥは自らの役割を理解し、愚直に遂行することで群馬の勝利を支えた。その存在の大きさは、スタッツだけでは測れない。

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