9月24日にオープンハウスアリーナ太田で、Bリーグ2026-27シーズンの開幕を迎える群馬クレインサンダーズ。KAZA GUNMAでは、開幕に向けて12選手の紹介記事を、これまで取材して印象的だったエピソードも交えて、順次公開していく。7人目は、#14 スタンリー・ジョンソン。
挑戦し続けた通算449試合出場のNBAキャリア
スタンリー・ジョンソンは、2015年のNBAドラフトで1巡目8位の指名を受け、デトロイト・ピストンズに入団。ルーキーシーズンから73試合に出場し、平均23.1分、8.1得点、4.2リバウンド、1.6アシストを記録するなど、順調なキャリアをスタートさせた。
NBA入りから4シーズン目となる2018-19シーズンには、ニューオリンズ・ペリカンズへトレードされ、プレータイムが減少。その後、契約更新には至らずFAとなった。翌シーズンには、トロント・ラプターズと複数年契約を結んだが、目を見張るほどの成績を残すことはできなかった。トロントで2シーズンにわたりプレーしたのち、再びFAとなった。
2021-22シーズンには、ロサンゼルス・レイカーズ傘下のGリーグ(NBA下部リーグ)チームと契約。シーズン中にロサンゼルスと3度の短期契約を結び、最終的に本契約を勝ち取ったものの、シーズン後にはトレードで放出された先で解雇された。
翌シーズンは、サンアントニオ・スパーズ傘下のGリーグチームと契約し、再びシーズン中にNBAの本契約を勝ち取ったものの、シーズン終了を待たずにチームを離れることになった。2023-24シーズンから2シーズンはGリーグでプレーしたが、NBAからのコールアップはなかった。2024-25シーズンには、トルコでもプレー。
そして2025-26シーズン、長崎ヴェルカでBリーグデビューを果たす。クラブ史上初のチャンピオンシップ進出と年間チャンピオンに大きく貢献し、個人としても『レギュラーシーズンベストファイブ』と『ベスト6thマン』に輝いた。
2025-26シーズン スタッツ
| 出場 | 先発 | 時間 | PTS | RB | AS | ST | BS | TO |
| 58 | 11 | 28:35 | 22.8 | 6.3 | 3.9 | 1.9 | 0.3 | 3.1 |

スコアリング能力だけないオールラウンダー
ジョンソンの昨シーズンの平均得点は22.8点で、リーグ2位を記録した。Gリーグでは平均15点前後を記録していたものの、NBAでは決してオフェンスの中心を担う選手ではなかった。どちらかといえば、相手のエースを抑えるディフェンダーとして力を発揮していた選手だ。
それが日本では、優勝チームのトップスコアラーへと変貌を遂げた。先日の茨城ロボッツとのプレシーズンゲームや、フィリピンで行われたレバンガ北海道戦でも、相手の流れを切るような得点や勝負強さを感じさせるタフショットを次々と沈めていた。群馬でも同様の活躍が期待される。
なんの因果か、昨シーズンが始まる前、ジョンソンが初めて日本のファンの前でプレーしたプレシーズンゲームを、私は長崎で取材していた。新加入ながら試合の流れをつかみ、37得点を挙げて、早くも大きなインパクトを残した試合だった。
試合後、自身の役割を聞かれたジョンソンは、次のように答えた。「私の仕事は、得点をすることだけじゃない。シュートが決まらない時でも、チームのためにズレを作ること。ディフェンスも自分の強みだし、それがここ(長崎)に呼ばれた理由でもある。何より私の仕事は、『スタンリー・ジョンソン』でいることだと思っている」
先日行われた群馬での公開入団会見でも「これまでのキャリアの中で重要だと感じたのは、自分自身であり続けること」と同じ趣旨の言葉を口にしていた。長かったNBAキャリアの中では、チームメートやチームルールの都合で、自分の力を100%発揮できなかった場面もあったのだろう。その経験を経たからこそ、ブレずに自分らしくいられることが、ジョンソンにとって大きな軸になっている。
自然体で示すリーダーシップ
公開入団会見を見たファンの方であれば、うなずいてくれると思うが、ジョンソンはとてもよく話す。先日、インタビューをした際も、時間が迫ったので「これで終了です。ありがとうございました」と伝えた後も、さらに数分にわたって話してくれた。聞き手としてはありがたい限りだ。コミュニケーション能力の高さは、コート内外でチームに良い影響を与えてくれるに違いない。
前述した長崎での取材では、こんなエピソードもあった。試合後、熊谷航が「『常に攻める気持ちが大事』とスタンが声をかけてくれて、気持ちの切り替えができました」と語っていた。新加入かつ少なからず言葉の壁がある外国籍選手が、プレシーズンの段階からリーダーシップを発揮し、チームを前へと進めていた。
そのエピソードを先日ジョンソンに伝えると「全然覚えていないけど、彼は大好きなプレーヤーだから、私の話をしてくれたのは嬉しいよ」と満面の笑みで返してくれた。ジョンソンにとって、リーダーシップを発揮することは当たり前であり、特別に意識して行なっていたわけではないのだろう。なんとも頼もしい男だ。


