オフシーズンの群馬クレインサンダーズは、話題に事欠かない。オープンハウスグループがオーナーになってから、毎年リーグに衝撃を与えるような新加入選手を発表してきた。直近のオフも、長崎ヴェルカの優勝に大きく貢献したスタンリー・ジョンソンを獲得して、リーグ全体で大きな話題となった。編成を担う吉田真太郎GMに、新シーズンに向けたロスターが完成するまでの話を聞いた。
「200分をどれだけ高い強度で戦えるか」
──このオフは、サラリーキャップやオンザコートルールなど、これまでのオフとは考え方を変えなければいけない要素が多かったと思います。その中で、何を重要視して編成されましたか?
Bプレミアのレギュレーションは分かっていたので、2年前からずっと準備していました。ここに至るまで、ストーリーを描きながらやってきています。
このレギュレーションでは、一般的なクラブであれば、外国籍選手にどのように投資するか、外国籍選手の出場時間を長くして勝つか、といったことを考えていると思います。しかし、我々はとにかく200分(40分×5選手)をどれだけ高い強度で戦えるかを考えました。
昨シーズン、チャンピオンシップに出場した8チームがディフェンス上位の8チームでした。ですから、さらにディフェンスの強度を上げていかないといけないと。そこで日本人選手では誰が一番適しているかと考えたところ、鶴巻だと。
──鶴巻選手は中央大学出身で、吉田GMの後輩ですよね。先日、鶴巻選手と話した時に、群馬に加入する随分前から面識があったと聞きました。久々の大学の関係者ということで、GMも嬉しいのかなと。
嬉しいですね。(五十嵐)圭さんはいましたけど、後輩となると初めてですから。
あと、外国籍選手は、(ヨハネス・)ティーマンみたいなインサイドタイプでもよかったのですが、レギュレーションを考えたときに、ウィング寄りの選手がリーグ全体で増えることは予想していました。
その中で、1番から5番までしっかり守れる選手、そして攻撃の引力になれる選手が必要だなと。我々はシューターが多いチームですので、引力があって今のロスターをさらに脅威にする選手を考えたら、スタンリーが一番いいんじゃないかと。
──どのくらいのタイミングから、ジョンソン選手獲得に動いていたのでしょうか?
昨シーズン中から「いま一番欲しい選手は誰か?」とずっと追っていました。もうシーズン後半にはスタンリーに打診しようと考えていましたが、最後の決め手はチャンピオンシップのファイナルですね。(ジャック・)クーリー選手をビシッと抑えているのを見て、もう「エグい!」と思って(笑)。
うちはスイッチディフェンスをするので、あのサイズでインサイドまで守れるのは貴重です。逆に富樫(勇樹)選手のようなポイントガードにもマッチアップできます。あの要素を持っている選手となると、もうNBA選手しかいないんですよ。似たような選手もいますけど、ちょっと小さかったり、フィジカルが弱かったり、勝者メンタリティじゃなかったり。スタンリーがドンピシャだったので、もう惚れていました。

「返事が来た時には『マジか』という感じだった」
──おっしゃる通り、ジョンソン選手クラスはそうそういないですよね。だからこそ、国内外問わず争奪戦だったと思いますが、獲得できた要因はなんでしょうか?
彼は最初から「優勝できるチームに決める」と話していました。「優勝したい」というのが彼の軸です。その中で、まずは我々のことを知ってもらい、クラブのビジョンを話して、最終的に彼が「良いチームだ」「このチームなら勝てる」と思ってくれたんだと思います。返事が来た時には「マジか」という感じでした。
──有力な継続選手もいる中で、ジョンソン選手も獲得できました。サラリーキャップは大変だったかと。
「今シーズンこそ優勝しよう」というビジョンをみんなに理解してもらいました。昨シーズンの悔しさがあったから、みんな「継続してやりたい」と思ってくれたんだと思います。クラブとしても、2年前から「Bプレミア初年度で優勝するぞ」と準備していましたし、一歩ずつ着実に上がってきたので、今シーズンうまくハマった感じはあります。
──選手の補強の他にメディカル系のスタッフを増員しました。これは昨シーズン、ケガに泣かされたところから、その対策としてですか?
そうですね。今シーズンは、遠征で13日間も帰ってこない日程もあるので、選手の負担は大きいです。スタッフ陣を最強レベルにしようと編成しました。
まず、スポーツパフォーマンスディレクターの友岡(和彦)さんは、バスケに限らず全スポーツ界の中で日本でも3本の指に入るくらいの方です。メジャーリーグでずっとやっていて、日本でもナショナルチームを担当していました。
さらにケアが重要になるので、ディレクターオブメディカルの山口(光國)先生に入っていただきました。いろんなタイミングが合って、これだけの人を集められたので、チームスタッフは、リーグの中でも一番だと思います。


