9月24日にオープンハウスアリーナ太田で、Bリーグ2026-27シーズンの開幕を迎える群馬クレインサンダーズ。KAZA GUNMAでは、開幕に向けて12選手の紹介記事を、これまで取材して印象的だったエピソードも交えて、順次公開していく。2人目は、#1 コー・フリッピン。
2つのクラブで優勝を知る男
フリッピンは、2019-20シーズンに千葉ジェッツでプロキャリアをスタート。その後、千葉J(2020-21)と琉球ゴールデンキングス(2022-23)でBリーグ年間チャンピオンに輝いた。異なるクラブで優勝を経験したのは、フリッピンを含めてジョシュ・ダンカンとギャビン・エドワーズ、馬場雄大の4選手のみ。
2022-23シーズンのファイナル第2戦では、古巣の千葉Jを相手に27分出場で21得点3リバウンド8アシスト1スティールを記録。優勝に大きく貢献し、ファイナル賞を受賞した。特にシーズン中は成功率51.3%と決して高くなかったフリースローを、この試合では10本すべて成功させて、勝負強さを存分に見せつけた。
群馬に移籍した最初のシーズンには、スティール王を獲得。今年で群馬在籍4シーズン目を迎える。攻守にわたり、持ち前の身体能力を生かしたプレーで、チームに勢いを与える存在だ。
2025-26シーズン スタッツ
| 出場 | 先発 | 時間 | PTS | RB | AS | ST | BS | TO |
| 36 | 0 | 15:34 | 4.7 | 2.4 | 1.1 | 0.8 | 0.1 | 1.1 |

年々、プレーの幅を広げる
群馬に所属してからの2シーズンは全試合に出場したが、昨シーズンは度重なる足の負傷により、36試合の出場にとどまった。出場試合数が少なかったこともあり、シグニチャームーブといえるスティールからのダンクは、昨シーズン一度も見られなかった。「ダンクは、ゼロでしたっけ?」と聞くと、「ゼロ!」と苦笑いを浮かべ、「やりたいね!がんばります!」と。
しかし、このプレースタイルの変化は、フリッピンにとって成長の証でもある。群馬所属2年目となる2024-25シーズンに、カイル・ミリングヘッドコーチが就任したことで、前年までのオフェンシブかつハイペースなスタイルから、ディフェンシブかつスローペースのチームへと生まれ変わった。「シーズン序盤は難しかった」と当時語っていたように、チームスタイルに順応するまで苦労も多かった。コーチからは「しっかりディフェンスをして、ギャンブル的なスティールは狙わないでほしい」と言われていたため、スティール数も減少した。
そこから、フリッピンはよりチームファーストな選手となり、これまで以上に堅実なディフェンスができるプレーヤーへと成長した。さらに昨シーズンは、ケガで欠場する期間も長かったが、「チームを客観的にみて、学ぶ機会になった」と振り返っていたように、ゲームの流れを読む力も身についた。身体能力に頼るプレーだけではなく、展開を落ち着かせるようなバスケIQの高さも見せていた。
もちろん、これまで通りのアグレッシブさも忘れていない。今シーズンは、さらに進化したフリッピンを見せてくれるだろう。そして、力強いダンクで会場を湧かせてくれるに違いない。
いつも笑顔で「アリガトウゴザイマス!」
アメリカで育ったフリッピンの第一言語は英語だ。しかし、難しい話でなければ、こちらが話す日本語も理解している。簡単なやりとりであれば、日本語のみでも問題ない。インタビュー後には、いつも屈託のない笑顔で「アリガトウゴザイマス!」と言ってくれる。
以前、番号#1の由来を聞いたことがある。千葉Jと琉球でともに優勝を経験し、フリッピンが群馬へ移籍するタイミングで引退したダンカンに敬意を表しての#1かと思い、そう聞いたが「ちがう!昔、お兄ちゃんがつけていた番号」と一蹴されて、こちらが勝手に描いていたエモいストーリーは、あっさりと砕かれた。


