ミリングHC「お互いを信頼してプレーする必要がある」
群馬クレインサンダーズは、9月24日に開催されたBリーグ2026-27シーズンの開幕戦でアルティーリ千葉と対戦した。最終盤、スタンリー・ジョンソンが劇的なブザービーターを沈め、76-74で勝利。しかし試合後、カイル・ミリングヘッドコーチとスタンリー・ジョンソンの口からは反省の言葉が多く聞かれた。
まず、試合の入りでオフェンスが停滞した。開始3分半で中村拓人のシュートが決まるまで、フィールドゴールはなし。インサイドアタックやキックアウトから効果的にオフェンスを組み立てていたものの、A千葉のディフェンスに阻まれて、リズムがつかみきれなかった。
ミリングヘッドコーチは「典型的な開幕戦でした。試合の入りから良くありませんでした。第2クォーターではかなりいいリズムをつかむことができて、第3クォーターでも少し良くなりました。ただ、A千葉は何度も食らいついてきたので、終盤にオフェンスのリズムを崩しました」と振り返る。
その言葉の通り、第2クォーターと第3クォーターでは着実にリードを広げ、14点差で最終クォーターを迎えた。第4クォーターも、同じような展開になるかと思われたが、14-26とリードを溶かした。その要因について、ミリングヘッドコーチは次のように語った。
「1対1に頼る場面が多くなってしまい、ボールが止まっていました。もっとボールを動かし続けて、いいシュートをつくり出し、お互いを信頼してプレーする必要があります」
14点のビハインドを背負ったA千葉は、追いつこうと激しいディフェンスを仕掛けてきた。1対1に対してもヘルプをしっかりと寄せて、パスコースをふさぐように全員が連動。集中力が一段と増した印象だった。
一方、群馬は精細を欠くプレーが続いた。第3クォーターまで高確率だったフィールドゴール成功率は、最終クォーターで38.5%。ターンオーバーも第3クォーターまで6つだったが、最終クォーターだけで5つを喫した。
「今日の試合から学んで、土曜日にはもっと良いプレーができると思います」とミリングヘッドコーチは語ったが、これを教訓とし次につなげなければならない。

「自分たちのミスから学ばなければいけない」
「コーチ陣やチーム全員が開幕に向けて積み重ねてきたものを、今日の試合で十分に表現できませんでした」と最後のビッグショットを決めたジョンソンも、ミリングヘッドコーチ同様、試合内容に満足していない。
「A千葉を軽視するつもりはありません。彼らは素晴らしいチームです。3度のMVPに輝いているD.J・ニュービルもいますし、デレク(・パードン)は長くこのリーグでプレーしています。素晴らしいコーチングを受けていて、非常にハードにプレーするチームです」
A千葉を讃えながらも、だからこそ自分たちにはさらなるパフォーマンスが求められるとジョンソンは続ける。「でも、私たちはより良いチームだと思っています。今日はもっといい形で勝たなければいけなかったです」
「自分たちのミスから学ばなければいけません。練習ではうまくできていました。でも、試合では練習でやっていたほどにはできませんでした」とこの試合を糧にすると意気込む。
「ケリー(・ブラックシアー・ジュニア)のファールアウトもありました。そして、最後のディフェンスが成功したあとに、タク(中村)が後ろからボールを弾かれてしまい、相手にダンクを決められて逆転されました。最後には、私自身が非常に判断の悪いアンスポーツマンライクファウルをしてしまいました」と反省の弁は続く。
「ただ、勝ちは勝ちです。60試合ある中で、そのうちの1勝をまず手にした。そこはポジティブな部分です。そういう意味でも、今日は非常に興味深い試合でした」
1点差で勝っても、30点差で勝っても、勝利数の1つに変わりはない。劇的な幕切れに会場は沸いたものの、選手やコーチの中でこの試合内容に満足している人は誰一人いないだろう。

「あのような状況ではミスが許される余地が非常に小さい」
最後のビッグショットについて、ジョンソンは振り返る。残り4.4秒でボールを受けたものの、ニュービルにボールを弾かれ、タフな3ポイントシュートを打たざるを得ない状況になった。本来は3ポイントシュートではないプレーを狙っていたと明かす。
「(予定していたプレーは)練習では非常にうまく機能していました。それなのに私がボールをしっかりキープできず、そのプレーを遂行できませんでした。あのような状況では、ミスが許される余地が非常に小さいです」
チームとして狙ったプレーはできなかった。しかし、その中でもジョンソンは落ち着いてシュートを放ち、見事に沈めて勝利を手にした。「『あのようなシュートを決められるか?』と聞かれれば、もちろん『決められる!』と答えます。タフな状況のシュートを練習していますし、勝利に導くシュートを決めるために、たくさんの時間をかけて練習しています」
「ほぼダブルチームを受けていましたし、体もセットできていませんでした。普通に考えれば、かなり難しいシュートなので、90%の人は『運が良かった』と言うかもしれません。でも、そうじゃない。『運が良かったから入った』では済まされないほどの練習を懸命にやってきています。そして、これまでたくさんのシュートを決めてきました」とあのシュートは努力の積み重ねによるものだと語る。
結果としてビッグショットを決め、勝利は手にした。しかし、その自負とは裏腹に本来のプレーを遂行したかった思いもある。「シーズンを通して考えれば、やはり自分たちが練習して、準備してきたことを試合でやるべきです。相手にプレーを崩されることなく、自分が行くべきところまでしっかりとボールを運べるようにしなければいけません」
群馬は昨シーズン、1勝の差でチャンピオンシップのホーム開催権を逃した。ジョンソンが語る通り「勝ちは勝ち」。この1勝の価値は大きい。特にシーズンのスタートを勝利できたことは大きな意味を持つ。だからといって、決して『勝てたから良かった』では終わらせることはないだろう。真価が問われるのは、9月26日のA千葉との2戦目だ。


