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試合レポート

群馬クレインサンダーズ、日本人選手トップの12得点を記録した細川一輝「全員がチームのためにやろうという気持ちが強い」


群馬が開幕戦でA千葉に辛くも勝利

「負けている状況から追い上げて、あの終わり方なら良かったですが、今日は勝っている状況からあの終わり方だったので……」

9月24日に行われた群馬クレインサンダーズvsアルティーリ千葉の試合終了後、細川一輝はそう試合を振り返った。細川の言葉通り、群馬は第3クォーター終了時点で62-48と14点をリードしながらも、最終クォーターでは防戦一方となり、A千葉の猛追を受けた。

最終クォーター残り4.4秒でA千葉に逆転を許し万事休すかと思われたが、スタンリー・ジョンソンがタフショットを沈め、群馬は76-74で劇的な勝利を手にした。

細川は「みんな思いきりよくシュートを打てていましたし、ディフェンスも固くできていたと思います」と前半を振り返る。一方で、後半の反省も語った。「後半も最初は良かったですが、だんだんと相手に追い上げられ、自分たちのオフェンスを遂行できず、打開ができない状況でした」

最終クォーターではシュートの精度が落ち、ターンオーバーを5つ記録した。細川は、その要因についても語る。「少し点差がついたのもあり、ボールムーブが止まってしまいました。自分たちは個人の能力があっても、全員がチームのためにやろうという気持ちが強いです。その中で1対1やトップでのピックが多くなって、周りも動いているけど邪魔してしまったり、スペースが悪い状態になってしまいました」

ただ、この反省を次につなげていく。「まだ1試合目ですし、今日の試合はしっかりと振り返らないといけません。チームのためにプレーすることが大事だと思うので、良い方向に進んでいけたらなと思います」


「タイムアウトをとらせるってことは相手にダメージを与えられている証拠」

細川個人のスタッツを見ると、日本人選手では最長となる23分47秒の出場で、12得点を記録。3ポイントシュートは7本中4本を成功させた。

開始40秒で放った3ポイントシュートは、細川にしては珍しく横にズレて外れた。その後、ワイドオープンで2本目を打つ機会もあったが、同じような外れ方をした。チームとしても、試合開始からフィールドゴールが決まらない時間が続いた。

最初のシュートについて聞くと、細川は「うーん……」と苦笑いを浮かべながら、こう振り返った。「1本目は打った瞬間に固さを感じましたけど、2本目以降は落ち着いて自分のタイミングで打てました」

その後、3本目に放ったコーナーから放った3ポイントシュートは、リングに触れることなく綺麗にネットを揺らした。「ドライブできる選手が多いので、パスが来るのを感じていました」と細川が振り返る通り、ジョンソンのドライブからキックアウトを受け、完璧なタイミングで射抜いた。

さらに昨シーズンまでとの変化について、細川はこう語る。「特にトランジションだと、スタンリーがアタックするので相手の脅威になると思います。そういう場面ではディフェンスはボールマンを見るので、その中でチームメートはオープンになっているのを見つけてくれますし、そこで決めていかないと信頼を勝ち取れないです」

続けて第2クォーターでは、リードを10点に広げる3ポイントシュートを沈め、A千葉にタイムアウトを取らせた。「タイムアウトをとらせるってことは、相手にダメージを与えられている証拠ですし、自分の気持ちも乗せていけるので、そういうプレーを増やしていきたいですね」

後半に入っても、細川の3ポイントシュートはチームに勢いを与えた。後半開始から2分半で2本を決めたが、いずれも外国籍選手にディフェンスが寄ったところからボールを動かし、最後は細川が仕留める形で生まれたシュートだった。「打つ準備をしていました。スタンリーは1対1をしたいのかなと思いましたけどね(笑)。1本目が入ると2本目も気持ちよく打てます」


「もっとディフェンスが強くなれば、使ってもらえる」

細川の武器は3ポイントシュートだけではない。ディフェンスでもチームを支えた。この試合では、ガード選手にマッチアップすることもあれば、ビッグマンと対峙する場面もあった。その中で、細川自身も手応えを感じている。「スイッチして相手のビッグマンにつくこともあったので、自分のフィジカルを生かしながらできるんじゃないかなと思っています」

第3クォーターには、ローポストでA千葉のアレックス・デイビスに1対1を仕掛けられた。細川は簡単にやられることなく、進行方向を塞いでデイビスのトラベリングを誘発。会場がひときわ湧いた場面だった。あのプレーについて聞くと、意外な答えが返ってきた。

「『あぁ、ファール吹かれた』と思って(笑)。そしたらトラベリングで。ライン際だったから、もう押し出すしかないなと思っていました。ああいう場面でも自分は押し込まれないと思っていますし、チームからも求められることなので、体を張っていきたいです」

この日の調子を考えれば、最後までコートに立つかと思われたが、最終盤はベンチから戦況を見守った。「『準備しておいてほしい』とコーチから言われていたので、どういう展開になっても出たら自分の仕事をするつもりでいました。勝ちに行くとなった場合、ディフェンスができる選手が出ることになります。自分がもっとディフェンスが強くなれば、そういう時間帯でも使ってもらえると思います」と細川は自身の伸びしろを見据える。

この試合では、A千葉の帰化枠やアジア特別枠の選手がロスター登録されていなかったが、今シーズンの大きなレギュレーション変更として、オンザコートフリーが話題となっている。先日行われたアルバルク東京vs琉球ゴールデンキングスでは、ビッグラインナップの時間帯もあった。その試合を細川も観ていたという。

「リーグが変わったなと感じました。もちろん速い選手もいますけど、大きい選手が多く出てくる中で、ミスマッチだとしてもフィジカルを使ってどれだけビビらずに体を当てていけるかが重要になってくると思います。そういうマッチアップは楽しみですし、今日の試合もそういう場面で怖がらずにやろうという気持ちでやっていました」

Bプレミアになって、もう一つ大きく変わったのが試合日程だ。平日の単一開催が増えた。今週はA千葉と2試合を行うが、中1日空く。昨シーズンまでにはなかった日程での戦いとなる。細川は、2戦目に向けて前を向く。

「個人としては3ポイントを打ち続けることはやっていきます。チームとしては今日の試合では勝ちはしたものの、悪い終わり方だったので、チームでしっかり話し合って、土曜日は出だしから自分たちのバスケットができるようにしたいです」

シュートを決めれば、信頼が積み重なる。ディフェンスで体を張れば、また一つ信頼が生まれる。その積み重ねの先に、チームの勝利がある。反省点も多い試合だったが、その一つひとつを糧にしてチームは成長していく。細川と群馬のシーズンは始まったばかりだ。

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